感染症対応マニュアル
―感染症予防のための衛生管理対策―
感染症対応マニュアル目次
はじめに
このマニュアルは、合同会社OHANAにおける職員が、感染症等に的確かつ迅速に予防又は対応するために必要な事項を定めて、児童・職員の生命・健康を守ることを目的とする。
感染とは、病原体が宿主の体内に侵入し発育または増殖することをいい、その結果何らかの臨床症状が現れた状態を感染症という。病原体が体内に侵入してから症状が現れるまでにはある一定の期間(潜伏期間)があるが、潜伏期間は病原体によって異なるので、児童が罹りやすい感染症の潜伏期間を知っておくことが大切である。
集団で生活する福祉施設では、感染症が広がりやすい状況にある。そのことを職員一人一人が認識し、感染の被害を最小限にするよう努めることが求められる。職員は、衛生管理に努め、病気を早期に発見し、適切な対応をすることが集団感染を予防するために必要となる。感染症が発生した場合は、直接接触を避けるために、隔離したり、環境を整えたり、消毒をする等の細やかな配慮が必要である。
Ⅰ 職員の衛生管理
1 職員が感染源とならないために
合同会社OHANAで働く職員は、原則として年一回の健康診断を受けなければならない。事業所指定の健康診断が受けられない場合は、各自で受診し、結果を書面で事業所に報告する。
自己の予防接種歴、既往歴を確認し、不確実なときは医療機関でその抗体の有無を調べ、早期に予防接種を受けておくことが望ましい。職員は、自らの健康に留意し、日々の生活の中で体調が優れないときは、早めに医療機関を受診すること。特に、インフルエンザ様の発熱時は2日以内に、眼充血や目やにがある場合は、速やかに専門医へ受診する等、早めの対応が必要である。
2 職員の服装及び衛生管理について
(1)清潔で動きやすい服装、汚れたら着替えられるように準備しておくこと。
(2)アクセサリーなどの除去(ネックレス・イヤリングなど)
(3)爪は短く切る。勤務中はマニュキュアをしない。
(4)衛生管理の基本は、石鹸手洗いにあることを常に意識し励行すること。
(5)蛇口は洗ってから閉める。
(6)手拭きタオルは個人別もしくはペーパータオルを使用する。毎日または汚れたらその都度交換する。
(7)訓練室・学習室内は清潔区域、トイレ・屋外は不潔区域と考え区別する。
3 児童の衛生管理について
(1)爪の手入れは、週1回してもらうことを保護者にお願いする。
(2)来所時、トイレの使用後、食事前、外あそび後、動物を触った後には、石鹸で手洗いをするよう指導し、日常的な手洗い習慣が継続できるよう支援する。
(3)清潔観念や清潔行為に困難さが見られる児童に対しては、できるだけ職員の介助により手洗いを行う。流水と石鹸による手洗いが難しい場合には、消毒効果のあるもので汚れを拭きとる。
(4)児童のタオル個人別もしくはペーパータオルを使用する。清潔なタオルを持って来てもらう。
4 衛生管理について(手洗い)
(1)水で手を濡らし、必ず液体石鹸を使用する。
(2)指、腕を洗う。特に指の間、指先をよく洗う。
(30秒程度。親指に汚れが残りやすいので、注意してよく洗う。)
(3)石鹸をよく洗い流す。(20秒程度)
(4)1~3を2回実施する。
(5)使い捨てのペーパータオルでよく拭き、アルコールを適量手にとり、手全体を濡らし、乾燥させる。
(6)手に傷があるときは、食品に直接手を触れない。
5 予防接種について
(1)ワクチンで予防できる疾患は、接種時期に受けるよう、配慮しながら勧める。
(2)市から公報される予防接種スケジュールを参考にして、保護者への相談、指導に役立てる。
(3)面談時に、既往歴や予防接種状況を確認するよう努める。
6 注意事項
(1)職員は、喉が痛いときや風邪気味のときは、うがいを励行し、早めに受診すること。
(2)職員は、咳が出るときはマスクを着用し、早めに受診すること。
(3)職員は、感染症の症状が見られる児童の早期発見に努める必要がある。
(4)職員は、日頃から事業所内の環境整備に心掛け、ゴミや汚物の処理をきちんと行うことが重要である。
(5)職員は、感染症が発生したときや発生やすい季節などには、保護者に注意を呼び掛ける他、感染拡大の防止に努める必要がある。
Ⅱ 事業所内の衛生管理
1 事業所内
玩具の消毒について
感染症発生時
・1Lにつき5ccのピューラックス溶液を作り感染症が落ち着くまで1日1回消毒を<
する。特に口にする玩具は、適宜流水で洗う。
・ノロウイルス流行時、嘔吐で汚染された玩具は1Lにつき20ccのピューラックス
溶液で消毒をする。消毒できない玩具は破棄する。
下痢の取り扱いについて
・下痢時のオムツ交換は、使い捨てのビニール手袋を使用する。
・床に新聞紙等を敷く。
・オムツは新聞紙等にくるんで、ビニール袋に入れ密封する。
・オムツ交換後は、石鹸手洗い後、アルコール消毒をする。
・下痢便の付いた服などは、洗わずにビニール袋に入れて返し「本日、下痢便がありました」の用紙を添付して、家庭での処理を依頼する。
・便で少し汚染したマット等は、水で拭きとり、アイロンでスチームを1分以上かけアイロンを当てて乾かし、日光消毒をする。
・日常の下痢便時の便座消毒は、その都度アルコールでするか、1日1回ピューラックスで消毒する。但し、ノロウイルスの下痢便はピューラックスで消毒をする。
嘔吐物の取り扱いについて
・処理時は、使い捨て手袋を使用する。
・嘔吐・下痢症流行時は、マスク、使い捨てのエプロンも使用する。
・吐物は使い捨て布等を使用して拭き取り、ビニール袋に入れて密封し燃えるゴミに出す。
・汚染した所は、使い捨て布で消毒する。1回目よりも徐々に広めに3回拭く。使い捨て布は、密封し燃えるゴミに出す。
・嘔吐時は、部屋の換気を十分にすること。
・嘔吐で汚染されたマット等は、浸み込まないように素早く処理をし水で拭きとり、日光消毒をする。広範囲のときは、処分するかクリーニングに出すか考える。
・嘔吐物で汚染した服等は、「本日、嘔吐・下痢がありました」の用紙を添付して家庭で処理を依頼する。
食事中に嘔吐した場合の取り扱いについて
・嘔吐したテーブルは汚染区域と考えて、そのテーブルの食事は処分する。
・他のテーブルは、別の部屋に移動し、食事をする。
・嘔吐したテーブルは食事を中断、汚染された食物をビニール袋に入れて破棄する。
・汚染した食器はビニール袋に入れ、ピューラックス溶液(1Lに対して20cc)を
入れて30分置く。30分後、流水で洗う。
感染症胃腸炎の汚物の取り扱いについて
・嘔吐や下痢便の処理時は、窓を開けて換気をする。
・ビニール袋、使い捨ての布、トイレットペーパー等が入ったバケツ(※処理用キット)を持って来る。
※処理用キットの内容
□使い捨て手袋
□ビニールエプロン
□マスク
□ペーパータオル
□使い捨て布
□ビニール袋
□次亜塩素酸ナトリウム
□その他
・処理者(できれば2人)は、マスク、使い捨てエプロン、使い捨て手袋を着用し、ビニール袋を3袋ぐらい床に広げて準備をする。
・床に落ちた吐物は使い捨て布やトイレットペーパーを使用して拭き、ビニール袋に入れ密封する。服等に付いた吐物も使い捨て布やトイレットペーパーで拭きとり、ビニール袋に入れて密封して、燃えるゴミに出す。
・嘔吐物で汚染された衣類は、2重にしてビニール袋に入れる。保護者に返却時、注意書を添付する。
・ピューラックス溶液を作り(1Lに20cc)、使い捨ての布を3枚程浸して絞り、処理者に渡す。(作る前に手袋を交換する)
・処理者は、汚染された床を布を換えて1回目より徐々に広めに3回拭く。拭いた後水拭きはしない。
・処理が終わったら、マスク、エプロン、手袋をビニール袋に入れて密封し、燃えるゴミに出す。
・石鹸を泡立てて手首までよく洗い、流水で洗い流し完全に乾かす。
・嘔吐した部屋は、1時間空ける。(無理な時は30分以上)
・嘔吐で汚染されたマット等は、嘔吐物が少ない場合は、使い捨ての布で拭きとり、湯又は水で拭いた後、スチームアイロンを1分以上当てる。その後、濡らした使い捨て布を当てて、アイロンをかけ日光に干す。嘔吐物が多い場合は、マット等の処分を検討するかクリーニングに出す。
―注意点―
・嘔吐した児童以外を別の部屋に移動し、換気をする。
・嘔吐や下痢便の処理が終わったら、その児童を隔離し、お迎えを依頼する。
・唾液、便を通じて感染していくので、手洗いの徹底をする。
・玩具等は、日中は湯や水拭きで、降所後は消毒をする。
・流行が終わるまで、毎日おやつ後にテーブルを消毒する。
・降所後、手が触れやすい所(玩具棚、ドアノブ等)と、室内の床の消毒をする。
・アルコールは効果がないので、消毒にはピューラックスのみを使用する。
・感染力が強いので、汚物の取り扱いに十分注意する。
・嘔吐・下痢の症状の出始めには、保護者に掲示板等にてお知らせを出し、以下のことをお願いする。
嘔吐・下痢・腹痛のある時は、来所を控える。
嘔吐のある時は、翌日まで自宅で様子を見る。
下痢・腹痛のある時は、症状が治まるまで自宅で安静にする。
・症状が消失したら、かかりつけ医の許可後、来所となる。
2 プールについて(水あそび)
(1)プールの取り扱い
①プールを使用するときは、水で十分に洗い流す。
②プールを使用する日の朝、水を入れる。
③足洗のたらいを準備する。
④プール使用後は、毎回プールを清掃する。
⑤プールの水は毎回入れ替える。
(2)プール使用時の注意
①プール使用前は、排泄を済ませ、流水で全身を丁寧に洗い流す。(特にお尻)
②プール終了後も、流水で全身を洗い流す。
(3)プールの可否
①保護者が自宅で検温後、体調に合わせて判断する。
②職員が可否チェックシートと照らし合わせて判断する。
プール可否チェックシート
1.体温37.5度以上
2.高熱の後、3日間
3.下痢・腹痛のあるとき
4.とびひ等、伝染性の皮膚疾患のあるとき
5.傷のあるとき
6.ぎょう虫卵検査陽性者
7.目やに、眼充血があるとき
8.目、鼻、耳に病気のあるとき(主治医の許可があれば可)
9.咳、喘息、鼻水の酷いとき
10.睡眠不足、食欲不振、疲労等で体調が良くないとき
11.抗菌薬等、服用中のとき(抗アレルギー薬等は、医師の許可があれば可)
感染症罹患後は、主治医の許可後プール可
(4)各児童の健康状態の把握
①児童の様子がおかしいと思ったときは、安全を第一に考えプールは控える。
Ⅲ 感染症の対応
1 感染対策の基本
(1)感染成立の3要素
「感染源」「感染経路」「感染を受けやすい人」の3つの要素が揃ったとき、感染が
成立する。体内に侵入する病原体の量が多い・感染に対する抵抗力が弱い人ほど感染
しやすくなる。
【感染成立の3要素】
①感染源
②感染経路
③感染を受けやすい人
(2)感染対策の3つの柱
感染成立を防ぐため、(1)の3要素それぞれに対しての対策をたてることが有効。感染対策の柱として、以下の3つがあげられる。
【感染対策の3つの柱】
①感染源の排除
②感染経路の遮断
③感染を受けやすい人の抵抗力の向上
①感染源の排除
以下のものは、感染源となる可能性がある。
ア 嘔吐物・排泄物(便や尿など)
イ 血液・体液・分泌液(喀痰・鼻汁など)
ウ 上記に触れた手指で取り扱った食品など
感染源の排除のためには、ア・イは手で触れず、必ずビニール手袋を着用して取り扱う。また、ビニール手袋を外した後は、手洗い(必要に応じて手指消毒)が必要。
②感染経路の遮断
1. 染経路の遮断には、以下の実践が求められる。
ア 感染源(病原体)を持ち込まないこと
イ 感染源(病原体)を拡げないこと
ウ 感染源(病原体)を持ち出さないこと
そのためには、手洗い・うがいの励行、事業所内の衛生管理が重要となる。また、血液・体液・分泌液・嘔吐物・排泄物などの感染源となる可能性のあるものを扱うときは、ビニール手袋を着用するとともに、これらが飛び散る場合に備えて、マスクやビニールエプロン・ガウンの着用についても検討する必要がある。
2.感染経路
感染症には、その感染症に特有な感染経路があるため、感染経路に応じた適切な対策をとる必要がある。
感染経路には、以下のようなものがある。
1) 飛沫感染・・・感染している人が咳やくしゃみ、会話をした際に、口から飛ぶ病原体が含まれた小さな水滴を近くにいる人が吸い込むことで感染する。飛沫は1~2m飛び散るので、2m以上離れていれば感染の可能性は低くなる。
(インフルエンザ・アデノウイルス・肺炎など)
2) 空気感染・・・感染している人が咳やくしゃみ、会話をした際に、口から飛び出した病原体がエアゾル化し感染症を保ったまま空気の流れによって拡散し、同じ空間にいる人もそれを吸い込んで感染する。
(結核・麻しん・水痘など)
3) 接触感染・・・感染している人に触れることで伝播がおこる直接接触感染(握手・抱っこ・キスなど)と、汚染された物を介して伝播がおこる間接接触感染(ドアノブ・手すり・遊具など)がある。病原体の付着した手で、口・鼻・目を触ること、病原体の付着した遊具などを舐めることなどによって、病原体が体内に侵入する。
(感染症胃腸炎・腸管出血性大腸菌感染症・薬剤耐性菌など)
4) 経口感染・・・病原体を含んだ食物や水分を摂取することで感染する。また、便中に排泄される病原体が、便器やドアノブに付着していて、その場所を触った手からも経口感染する。
(感染症胃腸炎・腸管出血性大腸菌感染症・赤痢菌など)
5) 血液・体液感染・・・幼小児においては接触が濃厚であること、怪我をしたり皮膚に傷があることで、血液や体液を介した感染が起こりうる。
(B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・HIVなど)
6) 節足性動物媒介感染・・・病原体を保有する昆虫やダニがヒトを吸血するときに感染する。
事業所に病原体を持ち込まない、事業所から病原体を持ち出さないために、職員
は日常から健康管理を心掛けるとともに、感染症に罹った際には休むことができ
る職場環境づくりも必要。
③感染を受けやすい人の抵抗力の向上
1.免疫を与えるためにワクチンを接種する方法がある。
2.基礎疾患がある場合を除いて、保護者にワクチンを接種するよう勧奨する。
3.流行時期が予測可能な感染症については、流行前にワクチン接種を実施する。
2 学校保健安全法での感染症について
1 学校保健安全法での感染症の種類について
(1)第1種 伝染力が強く重傷で危険性の高い病気
エボラ出血熱・ペスト・マーブルグ熱・ラッサ熱・ジフテリア・南米出血熱
急性灰白髄炎・重症急性呼吸器症候群・鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等感染症・指定感染症・新感染症
(2)第2種 主に飛沫感染によって広がる病気
インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く)・百日咳・流行性角結膜炎・麻しん・風しん・水痘・咽頭結膜熱・結核
(3)第3種
コレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症・腸チフス・流行性角結膜炎・急性出血性結膜炎・その他感染症
2 学校保健安全法での出席停止の期間の基準について
(1)第1種の感染症
治癒するまで
(2) 第2種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く):次の期間(但し、病状により学校医・その他の医師において伝染の恐れがないと認めたときは、この限りではない)
・インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)及び新型インフルエンザ等感染症を除く) / 解熱した後2~3日を経過するまで
・百日咳 / 特有の咳が消失するまで
・麻しん / 解熱した後3日を経過するまで
・流行性耳下腺炎 / 耳下腺の腫脹が消失するまで
・風しん / 発疹が消失するまで
・水痘 / すべての発疹が痂皮化するまで
・咽頭結膜熱 / 主要症状が消退した後2日を経過するまで
(3)結核及び第3種
病状により学校医・その他の医師において伝染の恐れがないと認めるまで
消毒液は6%ピューラックスを使用
状態 | 手当 |
床 | ・夕方、ほうきまたは掃除機をかける。・雑巾を固く絞り、湯(水)で拭く。・週1回(土曜日)消毒液で拭く。 |
棚 | ・週1回(土曜日)水で拭く。 |
便(床) | ・その都度、チリ紙で拭き取りトイレへ流し、雑巾を使用して湯(水)で拭く。 |
尿(床) | ・その都度、雑巾を使用して湯(水)で拭く。 |
嘔吐物 | ・チリ紙で拭き取り、指定のビニール袋へ入れ、しっかり結び、外にあるポリ容器の中のゴミ袋に入れ、雑巾を使用し、湯(水)で拭き、消毒し、清拭する。 |
口にしない玩具類 | ・週1回(土曜日)水で拭く。 |
おけ | ・使用後水で洗い、日光消毒する。 |
便器・手洗い場 | ・毎日洗浄剤で洗う。 |
テーブル・イスラック | ・その都度水で拭く、必要に応じて消毒する。 |
・テーブル拭きタオルは、ペーパータオルを使用する。 | |
玄関 | ・その都度、掃き掃除及び週1回靴箱等の拭き掃除をする。 |
窓 | ・週1回ぬらした窓拭き専用雑巾で汚れを落とし、乾いたぞうきんで水滴を拭き取る。 |
*ノロウイルスが疑われる便や嘔吐物の汚れは、必ず次亜塩素酸系(カルキ・ハイター)で消毒する。 | |
消毒液の作り方(次亜塩素酸ナトリウムの希釈液) | ・便や吐物が付着した床等(500mlのペットボトル1本の水に、ペットボトルのキャップ2杯) ・衣類などの漬け置き(5リットルの水に100ml・漂白剤のキャップ5杯) ・トイレの便座やドアノブ、手すり、床等(500mlのペットボトル1本の水に、ペットボトルのキャップ半杯) |
3 事業所における感染症への対応
潜伏機関と感染経路 | 感染しやすい期間 | おもな症状 | 合併症及び特徴 | 登所のめやす | 病後の配慮事項 | |
(はしか) 麻しん |
・10~12日 ・空気感染 ・接触感染 ・飛沫感染 |
・発熱の出現1~2日前から発しん出現後の4日間 | ①カタル期:38度前後の高熱、咳、鼻汁、結膜充血、目やに、熱が一時下がる頃、コプリック班(小斑点)が頬粘膜に出現 | ・中耳炎、肺炎、熱性けいれん、脳炎 ・肺炎の合併が多く、1000人に1人が脳炎を合併する |
・解熱後3日を経過してから | ・体力の消耗が激しく、免疫機能が低下することから回復状態にあわせ利用時間や活動に配慮する |
②発しん期:一時下降した熱が再びたかくなり、耳後部から発しん出現 | ||||||
③回復期:解熱し、発しんは出現した順に色素沈着を残して消退する | ||||||
インフルエンザ | ・24時間~48時間 ・飛沫感染 ・接触感染 |
・発症24時間前から後3日間が最も多く、通常7日以内に減る | ・突然の高熱が出現し3~4日間続く全身症状(全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、頭痛)を伴う | ・肺炎、中耳炎、熱性けいれん、脳炎 ・抗ウイルス薬を服用した場合は、解熱は早いが、ウイルスの排泄は続いていることがあるため、注意が必要 |
・発熱後5日間及び解熱後3日を通過してから(小学校入学前) ・解熱後2日を経過してから(小学生以上) |
・高熱、咳などで体力の消耗が激しいので、体調にあった支援をする ・咳が続いている場合が多いので、水分補給を多くする |
・呼吸器症状(咽頭通、鼻汁、咳嗽)約1週間の経過で軽快する | ||||||
風しん | ・14~21日(平均16~18日) ・飛沫(咳やくしゃみのしぶき)で感染 |
・発しん出現の数日前から後5日くらい(ただし解熱すると急速に感染力は低下する) | ・発熱、発しん、リンパ節腫脹発熱の程度は一般的に軽い | ・子どもは基本的には軽症。まれに血小板減少紫斑病・脳炎・関節炎を合併する ・感染力は麻しんや水痘より弱い |
・発しんが消失してから | |
・発しんは淡紅色の斑状丘疹で、顔面から始まり、頭部、体幹四肢へと拡がり、約3日で消える | ||||||
・リンパ節腫脹は有痛性で頸部、耳介後部、後頭部に出現する | ||||||
(みずぼうそう) 水痘 |
・2週間程度 ・空気感染で感染力は強い |
・発しんが出現する1~2日前から水疱がすべて痂皮化(かさぶた)になるまで感染力がる | ・発しんは体幹から全身に出る 頭髪部や口腔内にも出現 紅斑から丘しん、水疱、痂皮の順に変化する |
・皮膚の細菌感染・肺炎などがある ・急性期にアスピリンを使用するとライ症候群の発生が認められる場合があるため使用しないよう注意が必要 |
・すべての発しんが痂皮化してから | ・登所は水疱がすべて痂皮(かひ:かさぶた)になってからにする ・痂皮も痒みが強く、掻き壊さないように爪が伸びていないか注意 |
・種々の段階の発しんが同時に混在する | ||||||
・発しんは痒みが強い | ||||||
(ヘルペス) 帯状疱しん |
・2週間程度 ・直接感染 |
・水疱を形成している間 | ・小水疱が(肋間)神経にそった形で片側性に現れる | ・小児期に帯状疱疹になった子の低年齢での水痘罹患例が多い | ・水疱や痂皮(かひ:かさぶた)の掻き壊しに注意 | |
・正中を超えない | ||||||
(おたふくかぜ) 流行性耳下腺炎 |
・2~3週間(平均18日前後) ・飛沫(咳やくしゃみのしぶき)で感染する |
・耳下腺の腫脹前3日から腫脹消失後4日間は感染力が強い ・ウイルスは耳下腺腫脹前7日から腫脹後9日唾液から検出される |
・発熱、片側ないし両側の唾液腺の有痛性腫脹(耳下腺が最も多い) | ・1000人に1人の割合で急性高度難聴(片側性が多い)を10%程度の無菌性髄膜炎を合併する ・思春期以降では、男性に約20~30%に睾丸炎、女性で約7%に卵巣炎を合併する |
・耳下腺の腫脹が消失してから | ・耳下腺の腫れがある間は、かむと痛みがあるので、食べやすい物にする ・耳の聞こえに変化がないか注意する |
・耳下腺腫脹は一般的に発症3日目頃が最大となり6~10日で消える | ||||||
結核 | ・空気感染 ・喀痰の結核菌陽性の肺結核患者 |
・喀痰の塗抹検査が陽性の間 | ・肺結核では咳、痰、発熱で初発し、おおむね2週間以上遷廷する | ・感染力が強い(空気感染) | ・感染の恐れがなくなってから | |
・乳幼児では重症結核(粟粒結核、結核性髄膜炎) | ||||||
(プール熱) 咽頭結膜熱 |
・5~7日程度 ・飛沫感染 ・接触感染 |
・発熱・充血など症状が出現した数日間 ・咽頭から2週間、糞便から数週間排泄される(急性期の最初の数日が最も感染性あり) |
・39度前後の発熱、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭通)、結膜炎(結膜充血) | ・主な流行時期は、夏であるが、冬に咽頭結膜熱が流行することもある | ・主な症状が消え2日経過してから | ・プール、水遊びに参加できないことがある |
流行性角結膜炎 | ・5~12日 ・流涙や眼脂で汚染された指やタオルからの接触感染 |
・充血眼脂など症状が出現した数日間 | ・流涙、結膜充血、眼脂、耳前リンパ節の腫脹と圧痛を認める | ・新生児や乳幼児では偽膜性結膜炎を起こすこともある | ・感染力が非常に強いため結膜炎の症状が消失してから | |
百日咳 | ・6~20日(平均7日) ・鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染、接触感染 |
・抗菌薬を使用しない場合、咳出現後3週間を経過するまで ・菌の排出は咳の開始から約3週間持続するが、適切な抗菌薬を使うと服用開始から5日後には菌の分離はほぼ陰性となる やめると再排菌するので、指示された投与期間はきちんと守る |
・感冒様症状から始まる 次第に咳が強くなり、1~2週で特有な咳発作(スタッカート、フープ、レプリーゼ)がある。咳は夜間に悪化する ・合併症がない限り、発熱はない ・乳幼児早期では典型的な症状は出現せず、無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止となることがある |
・肺炎、脳症 | ・特有の咳が消失し、全身状態が良好であること ・抗菌薬を決められた期間服用する ・7日間服用の後は医師の指示に従う |
・咳による体力の消耗が激しいので、ひどい場合は自宅療養する |
腸管出血性大腸菌感染症 | ・3~5日 | ・便中に菌を排泄している間 | ・激しい頭痛、頻回の水様便、さらに血便 ・発熱は軽度 |
・有病者の6~7%に、下痢などの初発症状発現の数日から2週間溶血性尿毒症症候群を発症することがある ・脳症(3歳以下での発症が多い) |
・下痢便、血便がなく、便の症状が改善し、普通食が摂取できる かつ、抗菌薬による治療が終了してから48時間をあけて、2回連続の検便をし、いずれも菌陰性が確認されている |
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溶連菌感染症 | ・突然の発熱、咽頭痛で発症しばしば嘔吐を伴う。時に掻痒のある粟粒大の発しんが出現する | ・感染後数週間してリウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併することがある | ・決められた期間抗菌薬を飲まないと、繰り返すこともある ・尿検査が終了したか確認 |
|||
マイコプラズマ肺炎 | ・14~21日 | ・適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後数日間 | ・発熱、体がだるい、頭痛などが初期の症状。乾性の咳が徐々に湿性となり、次第に激しくなる。解熱後も3~4週間咳が持続する ・肺炎にしては元気で、一般状態は悪くない |
・発熱や激しい咳が治まっていること | ・咳が続く場合、マスク着用 ・水分補給・食事の配慮 |
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手足口病 | ・3~5日 ・飛沫感染 ・糞口感染 ・接触感染 |
・手足や口腔内に水疱・潰瘍が発症した数日間 | ・水疱性の発しんが口腔粘膜及び四肢末端(手掌、足底。足背)に現れる 水疱は痂皮形成せず治癒する ・発熱は軽度である ・口内炎がひどくて、食事がとれないことがある |
・脱水および髄膜炎・肺炎などの合併症について注意 | ・発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること | ・食事の配慮、水分補給 |
伝染性紅斑 | ・10~20日 ・飛沫感染 |
・発しん出現前の1週間 | ・頬が赤くなったり手足にレース状の発疹が出現する7~10日くらい前に、微熱や感冒様症状などの前駆症状が見られることが多いが、この時期が最も感染力が強い | ・発しんが治っても、直射日光にあたったり、入浴すると発しんが再発することがある | ・発しんのみで全身状態の良いものについては利用可能である | |
感染性胃腸炎 | ・1~3日 | ・症状のある間と、症状消失後1週間(量は減少していくが数週間ウイルスを排泄しているので注意が必要) | ・発熱、嘔気、嘔吐、下痢(黄色より白色調であることが多い) | ・ノロウイルス・ロタウイルス感染症では、2~3週間便の中にウイルスは排出する。ノロウイルス感染症では、嘔吐物にウイルスが含まれる | ・嘔吐・下痢などの症状が治まり、普段の食事がとれること | |
ヘルパンギーナ | ・2~4日 ・飛沫感染 ・接触感染 ・糞口感染 |
・急性期の数日間(便の中に1ヵ月程ウイルスを排泄しているので注意が必要) | ・突然の高熱(1~3日続く)、咽頭痛、口蓋垂付近に水疱しんや潰瘍形成咽頭痛がひどく食事、飲水ができないことがある | ・髄膜炎 | ・発熱や口腔内の水疱 ・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること |
・口腔内の疼痛のため不機嫌だったり、発熱や普段の食事が食べられない状態の時は利用を控える ・口腔内の疼痛のため不機嫌、食べられない、飲めないことで脱水症状などをおこすことがあるので注意 |
RSウイルス感染症 | ・2~8日 ・飛沫感染 ・接触感染 ・環境表面でかなり長い時間生存できる |
・呼吸器症状のある間、唾液の中に数週間ウイルスを排泄する | ・発熱、鼻汁、咳嗽、喘鳴、呼吸困難 | ・生後6ヶ月以内児でもっとも重症化する | ・呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと | |
突発性発しん | ・約10日 | ・感染力は弱いが、発熱中は感染力がある | ・38度以上の発熱が3日間程続いた後、解熱とともに鮮紅色の発しんが体幹を中心に顔面、四肢に数日間出現する ・軟便になることがある |
・生まれて初めての高熱である場合が多い ・熱性けいれんを起こす例があり脳炎、肝炎、血小板減少性紫斑病を合併する場合があるので、症状には十分に注意する ・流行することはない |
・1日以上解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと | ・熱が下がれば利用可能であるが、高熱が続いた後であるため十分の回復が望まれる |
(とびひ) 伝染性膿痂しん |
・2~10日 | ・湿潤な発疹がある間 | ・湿しんや虫刺され痕を掻爬した部分に細菌感染を起こし、びらんや水疱病変を形成する ・掻痒感を認めることが多い ・アトピー性皮膚炎がある場合には重症になることがある |
・効果的治療開始後24時間まで | ・皮しんが乾燥しているか、湿潤部位が覆える程度のものであること(皮しん・痂皮が湿潤している間は接触による感染力が認められる) | ・痒みがあるので、掻き壊さないように覆う ・手洗いの励行、爪が伸びていないか確認する |
(水いぼ) 伝染性軟属腫 |
・2~7週間 | ・直径1~3㎜の半球状丘しんで、表面は平滑で中心臍窩を有する ・四肢、体幹等に数個~数十個が集簇してみられることが多い ・自然治癒もあるが、数か月かかる場合がある ・自然消滅を待つ間に他へ伝することが多く、アトピー性皮膚炎があると感染しやすい |
・接触感染皮膚の接触やタオル等を介して感染 ・感染後は家族接種により拡大する |
・掻き壊した傷から、浸出液が出ている時は被覆すること | ・掻き壊したり、化膿している場合は、覆っていること | |
アタマジラミ | ・2~3週間 ・頭髪から頭髪への直接接触 ・衣服や寝具を介する感染 |
・痒みに関連した症状としてイライラ感や落ち着きがなくなる | ・頭髪の中に虫体を確認するか毛髪に付着している卵を見つける ・卵はフケと間違われることもあるがフケと違って容易には動かない ・皮膚を掻爬し、その傷から細菌(ブドウ球菌など)の二次感染症が生じることがある |
・治療・駆除を開始していることを確認する | ・頭しらみの卵は1週間から10日週間で孵化(ふか)するので適宜確認をする | |
A型肝炎 | ・2~6週間 ・糞口感染 |
・急激な発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐ではじまる数日後に解熱するが、同時に黄疸が出現する | ||||
ポリオ | ・7~12日 | ・ポリオウイルス感染症の95%は不顕性感染である。感染力は臨床症状が出現する ・咽頭に2週間存在し、便中には、数週間排泄されている ・糞便中にウイルスが排泄されている間は、感染症原となりうる |
・多くは無症状であるが、軽微な発熱や風邪様症状を呈する | ・無菌性髄膜炎 ・急性弛暖性麻痺 |
4 感染症が疑われる場合の対応
(1)発疹が出た場合
・麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)、水痘(水疱瘡)、溶連菌感染症、突発性発疹、手足口病などが疑われるため
①予防接種歴、既往歴を確認する。
②発疹の出方、部位、状態を確認する。
③発熱の有無、熱型を確認する。
(2)眼充血・目やにがある場合
・プール熱、はやり目が疑われるため
①保護者へ眼科医の受診を依頼する。
②感染の危険性がないとの診断後、受け入れ可能。
(3)発熱した場合
①37.5℃以上発熱したら、症状、感染症状況、予防接種歴、既往歴などから判断して、必要に応じて隔離する。
(4)その他の症状の場合
・耳の下が腫れている(おたふくかぜ 疑い)
・微熱と咳(マイコプラズマ肺炎・結核・百日咳 疑い)
・嘔吐・下痢(ロタ・ノロ・アデノウイルスによる感染症胃腸炎 疑い)
・下痢・血便(病原性大腸菌疑い)
・高熱と口内炎(ヘルペス性歯肉口内炎疑い)
※上記のような症状があり、感染症の疑いがある場合
→対象児童を隔離する。
→保護者に連絡し、症状を報告して迎えを依頼する。
→医療機関への受診を依頼し、その結果を事業所へ報告してもらう。
→事務所及び訓練室、トイレなど清掃消毒を行い、感染防止に努める。
5 感染症が発生した場合の対応
(1)対象児童を隔離する。
・対象児童の健康状態の把握・症状を確認した後、既往歴・予防接種歴を(同室に
いた児童も含め)確認する。
(2)主症状を保護者へ連絡し、速やかに迎えを依頼する。
・迎えが難しい場合は、事業所から送迎する場合もある。
(3)保護者に受診をすすめ、結果を報告してもらう。
・病名や症状によっては、関係機関への連絡を行う。
(4)登校(園)許可があるまで、事業所の利用を停止する。
(5)潜伏期間を含めて、感染可能期間は、その発症に十分注意する。
(6)早退・欠席の理由を対象児童の日誌に記載する。
・ 受診状況、診断名、検査結果、回復後の健康状態、回復までの期間などの記録をとる。
(7)感染症の発生の連絡が保護者からきた場合。
→ 発病もしくは潜伏期間と思われる時期を確認する。
→ 接触した可能性がある児童、職員をする。
→ 感染の可能性のある人へ速やかに連絡し、感染の拡大を防ぐための対応依頼を行う。
→ 職員間で情報を共有し、消毒範囲の拡大、手洗いの徹底などを確認する。
6 二次感染防止に向けた注意点
(1)来所時、本人・保護者が不安、異常を訴えたら受診を勧める。
(2)来所時、視診による把握を十分に行う。
①発疹………耳の後ろ、首筋、胸部に異常はないか
②発熱………平熱がどれくらいか確認
③その他………顔色・機嫌・むくみ・目やに・から咳がないか
(3)非常に機嫌が悪いなど、職員が異常を感じたら、すぐに受診してもらう。
(4)集団生活を送ることで、感染性疾患にかかる可能性があることを知らせ、予防接種の効果と必要性を説明する。
7 疾患別の留意するべきことについて
■麻しん(はしか)
①予防接種歴、未接種の状況を確認する。
②未接種者は、保護者に予防接種を勧める。
③利用児童・職員の予防接種歴、未接種の状況を確認する。
④体温測定をし、37.5℃以上は自宅安静をお願いする。
⑤未接種児は、健康観察に注意する。
■水疱瘡
①水痘を疑う発疹発生時は、対象児童を隔離し、お迎えを依頼する。
②感染力が強く、接触感染のため接触した児童は72時間以内にワクチン接種をお願いする。
③帯状疱疹は、接触・飛沫感染をするので、水痘発生時と同じく注意がひつようである。
④免疫力が低下している児童は、重症化することがある。
■三日はしか
①平常時から麻しん風しん混合ワクチンを受けているか確認し、接種するようお願いする。
■インフルエンザ
①発生の状況を把握する。
②手洗い・うがいの励行を指導する。
③加湿器などを使用して、湿度をなるべく50~60に保つ。
④送迎が必要な児童が罹患している時は、送迎を控えてもらう。どうしても送迎せざるを得ない場合は、必ずマスクを着用してもらう。
⑤職員が感染した場合は、主治医の許可が出るまで自宅療養する。
■百日咳
①咳が出ている児童には、なるべくマスクを着用してもらう。
■はやり目
①対象児童が触れたところは、アルコールで消毒する。
②目やに・眼充血に注意し、異常のある場合は早めの受診を勧める。
③分泌物の取り扱いに注意し、手洗い・消毒を行う。
④タオルは共有しない。
⑤家庭での二次感染に注意するよう伝える。
■とびひ
①皮膚科又は小児科の受診を勧める。
②接触感染のため、患部にガーゼを貼付し、接触しないようにする。
③外用薬は家庭で処置してもらい、外れた場合のみ事業所内で処置を行う。
④治癒するまで、水あそび・プールは控えてもらう。
⑤手洗いを励行する。
8 事業所内で予防したい母子感染
・妊娠中の母親が感染すると胎児に影響する可能性があるので、発生時は掲示板な
どにて注意を促す。
①三日ばしかが事業所で出ている場合、妊娠中の保護者は胎児への影響を予防するため、送迎・接触を遠慮してもらう。(場合によっては児童への感染を予防
するため、来所を控えてもらうのが望ましい)
②伝染症紅斑(りんご病)が出ている場合も、胎児への影響を予防するため、送迎・接触を遠慮してもらう。
③水疱症が出ている場合も、胎児への影響を予防するため、送迎・接触を遠慮してもらう。
9 予防接種について
・ワクチンで予防できる疾患は、接種時期に積極的に受けるように勧める。
【推奨接種】
■ポリオ
■BCG
■3種混合DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)
■2種混合・MR(麻しん・風しん)
■日本脳炎
【任意接種】
□インフルエンザ
□おたふくかぜ
□水ぼうそう
□Hibワクチン(細菌性髄膜炎)
□B型肝炎
10 特殊な感染症
(1)B型・C型・HIV感染・AIDSについて
①対象児童がいる場合は、保健所から指導を受ける。
②血液を介して感染するので、血液に触れないように注意する。
(2)MIRSAについて(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
①とびひ、中耳炎、化膿した傷からの浸出液の中にも存在するため注意する。
②ガーゼ交換や、手に付着したときは石鹸を使用して流水にてよく洗う。
③対象児童の手は、石鹸手洗いを励行する。
11 結核について
(1)BCGを接種していなければ感染し発病に進む可能性があるため、職員からの
感染に注意する。
(2)職員は、毎年の健診と日頃の健康管理が大切となり、食欲不振・微熱・咳が2~3週間以上も続けば危険信号。必ず医療機関で受診し、確認してもらう必要がある。
(3)発生した場合は最寄りの保健所に連絡し、指導を受ける。
12 利用児童の情報
(1)罹患歴の把握・日常の健康状態の把握を行う。
※受け入れ時、下記の項目について丁寧に観察する
【顔】顔つき・顔色・表情・活気・目やに・眼充血・鼻水・ボーッとしていないか
【全身】機嫌・爪の長さ・熱・皮膚の状態(発疹・とびひなど)
(2)学校や他の施設の感染症情報の収集に努める。
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